韓国語で「~さん」や「~ちゃん」のような呼びかけの言葉はどのように表現するのか? この記事では、韓国語での親しみをこめた呼びかけの言葉について詳しく解説します。友人や親しい人に対する呼びかけから、上司や先生に対する呼びかけまで、韓国語の社会文化を理解する上で大切なポイントとなります。
「~さん」にあたる「~씨」
*韓国語には、日本語の「さん」のように普遍的に使える敬称でありながら中立的な呼び名がありません。
*韓国語の「 씨 」は成年になった人の姓、名前につけてその人を尊称する言葉です。
*公式、事務的な場以外では目上の人に使い難い言葉で、主に同僚など同等な立場にいる人又は目下に使います。
「 씨 」の使い方
丁寧の程度 | 使える場面 | |
---|---|---|
フルネーム + 씨 | 丁重な言い方 | 初対面などで使う |
名前 + 씨 | 目下の人には丁寧な言い方 | *友たちのご主人・奥さん或いは夫・妻の友たちを呼ぶ時は対等なので年と関係なく「~씨」と呼ぶことができる。 *アルバイト先など非正規の雇用の場合は職名が特にない為「~씨」と呼ぶことができる。 *ただ人によっては不快感を抱く場合がある。 |
姓 + 씨 | 丁重ではない言い方 | *ブルーカラーが使う場合が多い。 *目上の人には使えない |
「씨」を使わない場合 | *「씨」は尊称にあたる為、凶悪犯などの場合言論では「씨」を入れない。 *新聞報道の場合は基本尊称を使わないことが慣習となっているので「씨」を使わない。よって、芸能人は名前だけで、政治家、公務員は職位名で呼ぶ場合が多い。 |
*日本語の場合は「職位名 + さん」の形でも使われますが、韓国語は使えませんので気を付けましょう。
付けるとしたら韓国語の場合は「様」の意味を持つ「님」を付けて「職位名 + 님」の形で使われます。
*先生が学生を呼ぶ際日本語は「~さん」「~君」と呼ぶ事がありますが、韓国語の場合は「씨」を付けません。
「~친구(格下の人を親しく呼ぶ言葉で坊や・お嬢ちゃんに似ている)」「 ~ 군 / 君」「~양 / 嬢」をつける場合もありますが、何もつけずフルネーム又は名前で呼ぶ場合が多い。
「~ちゃん」「~くん」にあたる「~아/~야」
「~아 /~야」が使用可能な場面
*目下の人を呼ぶ場面
*同等な関係性をもつ人を呼ぶ場面(成人の場合は親しい関係の場合)
*動物を呼ぶ場面
*呼びかけの場面(「今日はユジンちゃんの誕生日です」のような叙述などには使えない)
接続方法と例文
日本語のように男女別の区別はありません。韓国語は「体言+ 아」又は「体言 + 야」の形をとりますが、体言に終声(パッチム)があるなしにより用いるものが違います。
パッチムがない体言 + 야
유나야、너 어디가? / ユナちゃん、どこ行くの?
여우야 여우야 뭐하니? / キツネちゃん、キツネちゃん何してる?
パッチムがある体言 + 아
수민아,오늘 같이 가자. / スミンちゃん、今日一緒に行こう。
유진아,밥 먹었어? / ユジンちゃん、ご飯食べた?
名前の後ろに付ける「~이」
「ちゃん」と訳されるものに名詞の後ろにつける「이」があります。
「이」は、終声(パッチム)のある名前の後ろについて語幹を整える役割をします。
「~ 이」が使用可能な場面
*必ず終声(パッチム)のある名前の後ろにつける
*目下の名前の後ろにつける
*同等な関係性の人の名前の後ろにつける(成人の場合は親しい関係の場合)
*叙述など文の中で使う。(呼びかけには使わない)
「~ 이」のつけ方と例文
終声(パッチム)のある名前 + 이
수민이는 내 사촌 동생이다. / スミンちゃんは私の従兄弟だ。
유진이가 한 말이 잊혀지지 않는다. / ユジンちゃんが言った言葉が忘れられない。
*日本語は名前を呼び捨てたりしないので、「ちゃん」を入れて訳す。
*助詞「는 / 가 / 와 / 랑 / 도」などと一緒に「~이는 / 이가 / 이와/이랑 / 이도」の形で叙述など文の中で使われる。
まとめ
韓国語には、日本語の「さん」のように普遍的に使える敬称でありながら中立的な呼び名がありません。
呼ぶ相手との関係性などにより使い方が違いますので使いこなす事は慣れが必要といえるでしょう。
呼ぶ相手が自分よりも目上なのか目下なのか、関係が対等で親しいのか又は親しくないのかによって使う言葉を選択します。人と人とのコミュニケーションですので、いずれにしても相手に失礼の無いよう気を付けたいものです。