韓国語には様々な助動詞が存在し、その中でも「-버리다」と「-말다」は非常に重要なものです。これらの助動詞は、動詞に接続して使用することで、その動作が完了したことを表したり、途中で中止したことを表したりすることができます。しかし、「-아/어/여버리다」と「-고 말다」のように、「~てしまう」と訳されることが多く、理解しづらいところがあります。 そこで今回は、この二つの助動詞の具体的な使い方やニュアンスに加え、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。
「‐버리다」の使い方
動詞の後ろに付いて「-아/어/여버리다 」の形で、前の言葉の表す行動が既に終わったことを表す言葉です。この行動が行われた結果、話し手が惜しい気持ちが生じたりまた反対に負担が軽減され、すっきりしたことを表す時に使います。
약속을 잊어 버렸습니다. / 約束を忘れてしまいました。
올해도 벌써 반이 지나가 버렸다. / 今年ももう半分過ぎてしまった。
핸드폰을 잃어 버려서 연락하지 못했습니다. / 携帯をなくしてしまって、連絡できませんでした。
전화를 받고 급히 나가 버렸습니다. / 電話を受けてから急いで出ていきました。(出てしまいました)
「‐말다」の使い方
‐지 말다
動詞の後ろに付いて「 -지 말다」の形で、前の言葉の意味する行動をとらないようにする、つまり禁止を表します。
가지 마,내 옆에 있어 줘. / 行かないで、私のそばにいて。
쓰레기를 함부로 버리지 마세요. / ゴミを勝手に捨てないでください。
그런 말 하지 말아 주세요. / そんなこと言わないでください。
‐고 말다
動詞の後ろに付いて「 -고 말다」の形で,あることが実現できることを表す言葉です。成し遂げるという強い意志或いは既に成し遂げたことに対する肯定的な考え、或いは実現したとあることに対する否定的・残念な気持ちを持っていることをを表します。
열심히 공부해서 변호사 자격을 따내고 말겠다. / 一所懸命勉強して弁護士の資格取ってやる。
여동생이 하도 졸라서 데리고 가겠다는 약속을 하고 말았습니다. / 妹があまりにもせがんで連れて行くと約束をしてしまいました。
그 사람마저 유혹에 넘어가고 말았다. / 彼さえ誘惑に負けてしまった。
안타깝게도 집안 일로 승진할 수 있는 좋은 기회를 놓치고 말았다. / 残念ながら家のことで昇進できるいいチャンスを逃してしまった。
끝내 해내고 말았다. / ついにやり遂げた。
「-아/어/여 버리다 」と「‐고 말다」の違い
「-아/어/여 버리다 」と「‐고 말다」両方とも日本語で「~てしまう」と訳すことができます。では、二つの違いは何でしょうか?
①「‐고 말다」は成し遂げるという強い意志或いは既に成し遂げたことに対する肯定的な考えを表す意味がありますが、「-아/어/여 버리다 」にはありません。
②「‐고(야) 말다」は「‐고(야) 말겠다」「‐고(야) 말것이다」と言う形で、主語の強い意志を表しています。よく日本語で「~してやる」と訳されます。「-아/어/여 버리다 」にはこういう意味がありません。
③「‐고 말다」にはとある結果にならないように努力したけど、なってしまって残念というニュアンスがあり、「-아/어/여 버리다 」にはとある行動を行った結果、話し手が惜しい気持ちが生じたり負担が軽減し、すっきりしたというニュアンスがあります。
まとめ
ここでは韓国語助動詞「‐버리다」と「‐말다」の使い方・違いについて解説しました。「-아/어/여버리다 」と「‐고 말다」は両方とも日本語で「~てしまう」と訳され理解しづらいところがありますので、解説・例文を読んで、使いこなせるようにしておきましょう。