韓国語で「持つ」は?「들다」「가지다」「지니다」の違いについて

 日本語の「持つ」という言葉は、様々なシチュエーションで使われる基本的な単語の一つですが、韓国語にはその意味を表す言葉が3つあります。
 「들다」「가지다 / 갖다」「지니다」です。それぞれの表現には微妙な違いがあり、正しい使い方を知らなければ、意図しない誤解を招くこともあります。例えば、「가지다 / 갖다」と「들다」は見た目が似ていますが、実際には異なる使い方をします。
 本記事では、それぞれの表現の意味や使い方について、わかりやすく解説していきます。韓国語で「持つ」という表現について深く知りたい方や、韓国語を勉強している方は必見です。

目次

「手に取る、持ち上げる」という意味の「들다」

「들다」は(人があるものを)手に取る、手に持つ事を表します。日本語で「持つ」「取る」と訳すことができます。

그가 갑자기 꽃을 들고 찾아와서 당황스러웠다.
彼が突然花をもって訪ねてきたので驚いた。

가방이 무거워 보여서 들어 줬다.
鞄が重そうだったので持ってあげた。

손에 따뜻한 커피를 들고 그녀가 나오기를 기다렸다.
手に温かいコーヒーをもって彼女が出てくるのを待った。

「携帯する」という意味の「가지다 / 갖다」

「가지다」は何かを手中に収める、つまり手に握ったり、身に付けたりし、携帯するという意味があります。日本語で「持つ」「取る」と訳すことができます。「갖다」は「가지다」の略語です。

손에 가지고 있는 걸 내 놔!
手に持っているものを出して。

가지고 있는 돈을 다 줬다.
持っているお金を全部あげた。

가지러 방에 들어갔어요.
本を取りに部屋に入りました。

「가지다」と「갖다」の違い

手に持っているものを出しておいて!
손에 가지고 있는 걸 내 놔!(〇)
손에 갖고 있는 걸 내 놔!(〇)

連結語尾「-고」は「~て」「~し」の意味があります。
用言の語幹の終声(パッチム)の有無に関係なく「-고」を付けることができます。
よって、 가지다 ➡ 가지고     갖다 ➡ 갖고
「-고」のような子音語尾の時、例えば「는다 」「기」等の時は「가지다」と「갖다」は同じように活用できます。

本を取りに部屋に入りました。
가지러 방에 들어갔어요.(〇)
갖으러 방에 들어갔어요.(×)

連結語尾「러 / 으러」は「~しに」の意味があります。
終声のない語幹には 「러」 、終声のある語幹には「으러」 を付ける事ができます。
よって、 가지다 ➡ 가지러   갖다は「 으러」 がついて「 갖으러」になるはずですが、
「으러 」のような母音の語尾は標準語の規定により、縮約形の「갖다」には付けられません。「아 / 어서 」 「았 / 었습니다」等も同じく「갖다 」には付けられません。

「大切に身に付ける」という意味の「지니다」

「지니다」はあるものを身に大事にしまって持つという意味があります。日本語では「持つ」「身に付ける」などと訳すことができます。

부적을 지니고 있다.
お守りを身につけている。

가족 사진을 지니고 다닌다.
家族写真を持ち歩いている。

「들다」「가지다」「지니다」の違い

「들다」と「가지다」の違い

「들다」はものを物理的に手に取ったり、持ち上げたりすることを表します。
「가지다」は何かを手中に収める、つまり手に握ったり、身に付けたりし、携帯することを表します

(置いてある荷物を指しながら)私が持ちます。
제가  들게요.(〇)
제가   가질게요.(×)

(運ぶため)物理的に荷物を手に取るという意味がある時は「들다」を使います。
関連語句:
(荷物を)お持ちしましょうか? ➡ 들어 드릴까요?
(荷物を)ちょっと持ってくれる? ➡ 들어 줄래? 

(並べてあるいくつかの鞄を見ながら)今日もどの鞄を持とうかと悩んだ
오늘도 어느 가방 들까 고민했다. (〇)
오늘도 어느 가방 가질까 고민했다. (×)

鞄を手に取って出かければ、結果的に携帯することにもなりますが、ここの「鞄を持つ」という言葉はいくつかの鞄の中でどの鞄を「手に取る」かという物理的な動作を指していますので、「가지다」は不自然です。

資料を取りに家に帰りました。
자료 들러 집에 갔어요. (×)
자료 가지러 집에 갔어요. (〇)

資料をただ手に取る(持ち上げる)ためにお家に帰ったのではなく、手中に収めるために帰っているので「가지다」を使います。

持っている(携帯している)お金を全部くれた。
들고 있는 돈을 다 줬다. (×)
가지고 있는 돈을 다 줬다. (〇)

「들고 있는 돈」というと手のひらにお金を置いて持っているような事を連想します。ここでは携帯してるお金ですので「가지다」を使います。

「가지다」と「지니다」の違い

「가지다」は何かを手中に収める、つまり手に握ったり身に付けたりし、携帯することを表し「지니다」はあるものを身に大切にしまって持つことを表します。

両方とも「身に付ける」「携帯する」意味がありますが、「지니다」は何かを身に大切にしまって持つというニュアンスが強いです。

お守りを身につけている。
부적을 가지고 있다. (〇)
부적을 지니고 있다. (〇)

家族写真を持ち歩いている。
가족 사진을 가지고 다닌다. (〇)
가족 사진을 지니고 다닌다. (〇)

どの文も(〇)ですが、ニュアンスは違います。「가지고 있다」「 가지고 다닌다」はただ携帯してる意味で 、「 지니고 있다」 「지니고 다닌다」の方は大切に身につけているというニュアンスが強いです。

まとめ

「持つ」意味をもつ3つの韓国語表現「들다」「가지다 / 갖다」「지니다」ですが、意味が互いに似ている部分がありつつも違う部分があります。「들다」「가지다 / 갖다」「지니다」3つの単語の違いを具体例をあげて解説していますので、もう一度押さえておきましょう。

「들다」➡「手に取る、持ち上げる」という意味
「가지다 / 갖다」➡「携帯する」という意味
「지니다」➡「大切に身に付けて持つ」という意味

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