韓国語のディクテーション(パダスギ): 方法と効果的なアプローチ

韓国語のディクテーション(以降、パダスギ)とは、音声を聞いてそれを正確に再現することを指します。言語学習において、パダスギは発音の矯正やリスニングスキルの向上に役立つトレーニングの一つです。音声を聞きながら、正確な発音とアクセントを確認し、自分自身の発音を改善することができます。なお、このトレーニングには自分のレベルにあったスクリプト(原稿)と音源を必要としますが、学習効果が高いためを強くお勧めします。

目次

パダスギが必要な理由

ハングルは表音文字(一つ一つの字は意味を持たず音を表す文字)ですが文法の構造上、リエゾンなどの要素があるため音声変化が不規則です。よって耳に聞こえてくる音声と文字で書かれる表記が異なり、パダスギのトレーニングをしておかないと混乱する場面がでてきます。これをパダスギという書き取りトレーニング(ディクテーション)により「聴き取る力」を磨いていきます。聴き取る力というものは数学のように「公式を覚えればできるようになる」というものではありません。一朝一夕にできるものではないので繰り返しのトレーニングが必要になるのです。

パダスギで獲得できる学習効果

  • リスニング能力の向上
  • 単語量の増加
  • ハングル文字を書く能力の向上
  • 韓国語文法の理解が深まる
  • 分析をすることで自分の弱点を明らかにできる

パダスギの始め方

第1段階

音を聞いてどのように聞こえてくるのか音の聞き分けをトレーニングします。はじめは音の聞き分けで苦戦する人もいますが、大丈夫です。訓練を重ねることでできるようになります。

第2段階

簡単なスクリプトを沢山用意します。独学の場合、自分でスクリプトを用意する中で語彙も増やしていけます。初級者向けの参考書が用意できるのであれば、その参考書の例文を使ってもよいですし、参考書に音源などが付属していれば覚えるまで何度も繰り返し練習しましょう。文字を書く、簡単な文を書く訓練にもなります。急がずに後で見返した時にしっかり読める文字で丁寧に書きましょう。最初が肝心です。

第3段階

第2段階同様、繰り返し聞き、丁寧に書いてください。準備するスクリプトはやや長めにします。ただし欲張って急に難易度を上げるのは控えましょう。心が折れては逆効果です。

第4段階

ここまでくれば中級者です。初心者と中級者の違いは単純構造の短文からやや複雑な表現である複文にあるといえます。当然、スクリプトに含まれる単語の数、語彙数もこの段階に至るまでの間に数多く習得できます。ポイントは無理に速いスピードにしなくても良いということ。

第5段階

上級者レベル。この段階であれば自分でスクリプトを準備する必要は必要ありません。ニュースを聞き、その場で書き取りができる(もちろん、書き込む時間は別に必要です)レベルです。相当な語彙数が必要になりますので判らなかった単語はその場で調べて吸収していきましょう。

スクリプト(原稿)の準備について

スクリプト(原稿)は音声✙スクリプトが一緒になっている参考書等を購入してもよいでしょう。時間に余裕がある人は自作してもよいです。自作のメリットは作る過程そのものが学習につながるということ。作る際は未知の単語をちょっとずつ投入してみてください。8割くらいは既知の単語にし、残りの2割を未知又は未定着の新規単語を加えていくという具合で進めます。読み上げるのは機械に任せましょう。

練習法

聞き取れた内容を、そのまま文字に書き起こす

音声を聞く

  1. 文を最後まで再生し文全体を把握する(いきなり書き始めない)
    含まれる単語から内容を類推
  2. 再生➡停止➡書きとりをする(書き取りをしやすい区切りのよいところで再生停止をする)聞いても判らない単語は未知の単語なので絞っても出てこないのであれば先に進める

答え合わせ

用意したスクリプトと書きとった韓国語を照合する

分析 

以下の区分で整理 ➡ リストアップする

  • 聞き取れて正しく書けたもの
  • 聞き取れたが、スペルを書き間違えたもの
  • ほぼ聞き取ることができなかったもの

苦手把握

分析のうえリストアップしたものは現時点で自分の身についていないものなので、何回か繰り返し数日後再びすることで定着させる。

まとめ

毎日少しづつでもよいので成果を積み上げていきましょう。苦手、未知のものを自分の中に取り込みながら使える単語、慣用句を増やしていきましょう。また、パダスギに加えてシャドーイングのトレーニングも組み合わせて学習すれば短期間で非常に効果的に学習できます。重ねますが、一朝一夕には身につかないのでコツコツと楽しみながら続けるようにしてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次