日本語の格助詞『へ』には、韓国語では意味によって異なる助詞が使われます。この記事では、韓国語で方向を表す「へ」には「로/으로」、向けられた相手を表す「へ」には「에게/께」、そして受けた事物の存在場所を表す「へ」には「에」という助詞が使われることを、具体的な例文とともに詳しく解説します。これらの助詞の使い方を把握することで、より正確な韓国語表現ができるようになります。
動作・作用の向けられる方向を表す「へ」は「 로 / 으로 」
動作・作用の向けられる方向を表す時の「へ」は韓国語で「로 / 으로」を用いて表現します。
接続
終声のない(パッチムのない)時は「 로 」を付けます。
終声のある(パッチムのある)時は「 으로 」を付けます。
例文
서울로 가는 비행기를 탔습니다. / ソウルへ行く飛行機に乗りました。
質問:
「서울로 가는 비행기를 탔습니다」を「서울에 가는 비행기를 탔습니다.」にできないでしょうか?
答え:できます。ただ
「서울로」は「ソウルの方向へ向かう」という意味で、話のポイントは「動作の方向性」に置かれることになります。よって終着点がソウルとは限りません。
「서울에」は「ソウルに向かう」という意味で話のポイントは「動作の終着点」に置かれることになります。よって、終着点はソウルであることが分かります。
먼저 집으로 가자. / 先に家へ帰ろう。
동쪽으로 가 주세요. / 東の方へ行ってください。
動作・作用が向けられた相手を表す「へ」は「에게/께」
動作・作用が向けられた相手を表す時の「へ」は韓国語で「 에게 / 께 」を用いて表現します。
「 에게 」は人・動物を表す体言の後ろに用いられます。
「 께 」は「 에게 」の敬語です。
接続
終声の有無(パッチムの有無)に関係なく「에게 / 께」を付けます。
例文
① 부모님께 보내는 편지입니다. / 親への手紙です(親へ送る手紙です)。
② 친구에게 보내는 편지입니다. / 友達への手紙です(友達へ送る手紙です)。
上記①の「부모님께」についてでですが、日本語の場合他人に身内のことを言う時、その身内が目上の人の場合尊敬語を使いませんが、韓国語の場合はその目上の人が身内であっても尊敬語を用います。よって「부모/ 親」にその人を敬って言う言葉「님」を付け、さらに助詞の敬語は日本語にはないですが、 助詞「 에게 」の敬語「 께 」を付けて「 부모님께 」つまり「親へ」となっています。
上記②は友達で対等な立場なので、敬語を使う必要がありません。よって「 친구에게」つまり「友達へ」となっています。
선생님께 안부 전해 주십시오. / 先生へよろしくお伝えください。
動作・作用を受けた事物の存在場所を表す「へ」は「 에」
動作・作用を受けた事物の存在場所を表す時の「へ」は韓国語で「 에」を用いて表現します。
接続
終声の有無(パッチムの有無)に関係なく「에」を付けます。
例文
여기에 짐을 두지 마세요. / ここへ荷物を置かないでください。
김치를 냉장고에 넣었다. / キムチを冷蔵庫へ入れた。
사진을 벽에 걸었다. / 写真を壁へかけた。
韓国語のてにをは(は、が、を、と)等の他の助詞については次の記事を参考にしてください。https://korean.jls518.com/postpositional-particle/
まとめ
日本語の格助詞「へ」は意味によって大きく3種類に分けることができますが、今回はそれを韓国語でどのように訳すかについてみてみました。
ご覧の通り韓国語では意味によって使う助詞が違います。
動作・作用の向けられる方向を表す時の「へ」➡「 로 / 으로 」
動作・作用の向けられた相手を表す時の「へ」➡「에게 / 께」
動作・作用を受けた事物の存在場所を表す時の「へ」 ➡「 에」を使います。
韓国語は動作・作用の向けられた方向・相手・場所などによって使う助詞が違いますので、ここでしっかり押さえておきましょう。